入院てんやわんや

浅井 伸子
「チリリリリン、チリリリリン」今日は友達四人で一泊旅行に出かける日、目覚ましを六時にセットしていた。
「あれっ 五時じゃない?」
目覚ましを止めてもまだ鳴っている。枕元の主人からの携帯電話だ!別居して初めてのコール
「どうしたの?」
「ちょっときてくれ!」
私達の寝室は、脊椎間狭窄症の夫は北側のベットのある部屋、私は南側の畳の部屋、ちなみに真冬は八度の温度差で北側には一晩中オイルヒイターをつけている。二年前から夜十時になるとリビングの二人は「おやすみ」の言葉でそれぞれの寝室へ、朝七時には「おはよう」で一日が始まる。時々、定刻に起きて来ないと玄関戸の鎖を見る、はずしてあると新聞を取って「二度寝だな」と一安心している。
「どうしたの?」
「トイレに起きようとしたら足が立たない。体中に電気が走る!救急車!」
ビックリして私の心臓にも電気が走った!
(ちょっと気持ちを落ち着けた。言葉はしっかりしている。二、三日前から箸が持ちにくい。ペンが走らない。と言っていた)
腰痛で診てもらっている主治医のいる御茶ノ水の病院に運ぼうと開院前の病院に連絡した。
『十一時までに診察券を出さないと今日の診察はできません』
インターネットで介護タクシーを探した。友達にはドタキャンの連絡。
タクシーは高速道路を走り、一五分前に到着した。何とか病院に運び、色々検査の結果、即入院、二五日頸椎の手術をした。七月十三日は脊髄の手術の予定である。
『八月十四日は俺の八四歳の誕生日、それまでに帰宅出来たら良いな』
と言っている主人である。腰痛の手術の成功と早い退院を祈っている。
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