一般的に、国家(民族でもいい)の安全保障量は、敵国数と防衛力によって決まるので、次のように定式化出来る。
      国家安全保障量  = ƒ(敵国数,防衛力)
しかし、防衛力は、人為的防衛力と自然防衛力から成り、次のように定式化できる。
      防衛力  = ƒ(人為的防衛力、自然防衛力)
従って、国家安全保障量は、次のようになる。
      国家安全保障量  = ƒ(敵国数,人為的防衛力、自然防衛力)         (式2−1)
人が生きるための基本財である国家の安全のための方法が、平時バイアスに影響した結果であると仮定し、大陸国と島国を対比して調べてみよう。
- 大陸国の場合
大陸国の場合、外敵がいる。従って安全保障の問題が発生する。
大陸国の場合の安全量は、上の式2−1によって定式化されるが、大陸の場合、自然防衛力は、島国に比べ低い。
従って、国家安全保障量は、人為的防衛力に依存する割合が強い。
      国家安全保障量c  = ƒ(敵国数,人為的防衛力)         (式2−2)
結果、人為的防衛力向上思考のための知性が育まれる。これが時間敏感性の民族を産む所以である。
- 島国の場合
島国の場合も、外敵はいる。だから安全保障の問題は発生する。
島国の場合の安全量は、上の式1によって定式化されるが、島国の場合、自然防衛力は、大陸国に比べ極めて高い。
従って、国家安全保障量は、自然防衛力に依存する割合が強い。
      国家安全保障量I  = ƒ(敵国数,自然防衛力)         (式2−3)
結果、人為的防衛力のための知見が増えない。これが時間鈍感性の民族を産む所以である。
以上により、安全保障環境の違いが、その社会の属性を決めることになる。
片や、人為的防衛力向上のため緊張した営みを繰り返し、片や、自然防衛力を頼んで呑気な営みを繰り返す、という相反する世界が生まれるのである。
斯くて、前者を時間敏感性の民族、後者を、時間鈍感性の民族と呼ぶことになる。従って、安全保障環境はその社会の属性におおきな影響を与えたとなり、
島国の国民は、平時バイアスし易いとなる。