「風たちぬ」という映画

石井俊雄
 
図書館の新刊のコーナーで何気なくみていたら「風たちぬ」のDVDを見つけた。
この映画は、宮崎駿のジブリ作品だ。
この映画が封切られた2年前は、是非見に行こうと心に決めていたが、中々実行動に出れなくて、 今や、忘れかけていた映画だった。
でも、図書館で見つけたのであるから、早速、借りてきた。
そして、その内見ようと思っていたが中々その気になれなくて日をすごしていた。 が、あるとき、家内が独りでそれを見ていたのを発見した。 それで、私も釣られて見てしまったのだった。途中からだったが。
見ての感想は、つまらない!というものだ。
それでも、再度、初めから見ようと思っていた。だが、丁度、終戦記念日のころであったので、 小生、佐高八期会HPの特集記事「戦後70年の思い出特集」に寄稿する「−失敗の根源的原因と対策−」を作成中で、 日が経ってしまい、再度見る間もなく、貸出期限がきてしまい、返済しざるをえなかった。
いま、特集記事の投稿も終え、ほっとした心境で過ごすとき、ふっと思い出すのは、 中途半端で終わってしまった「風たちぬ」のこと。 だが思い出したのは中身ではなくその中の挿入歌だ。
その曲は、1931年のドイツ映画「会議は踊る」の主題歌「ただ一度だけ」(Das gibt's nur einmal)だが、 「風たちぬ」の中でいきなりこの曲が出てきたときは驚いた。何故?この曲なのだ?と思ったからだ。
でも、今でも、あの映画のことで思い出すのは この曲のこと。 ジャズ風にアレンジされているが、原曲のアレンジよりいいように聞こえる。 ただ、原曲のは女声ヴォーカルだがこちらのは男声だ。 でも、いい曲に仕上がってると思う。
映画自体は、堀辰雄の「風たちぬ」を織り込んだ妙な映画になっている。だが、この曲を挿入したことで、 忘れられない映画になったと思う。 皆さん、この曲聴いてみてどう思われますか。
原曲の"Das gibt's nur einmal"も凄くいい。 主演女優のリリアン・ハーベイ、とても美しい。 こちらも聴いてご覧なさいな
1931年のドイツ映画「会議は踊る」の舞台は1814−5年のウィーン会議。
主人公は手袋店の売り子クリステル(演じ歌うのは可憐な女優リリアン・ハーヴェイ)。 ロシア皇帝アレクサンドル一世に見初められ、郊外に借り上げられた別荘に迎えの馬車に乗って出掛けるときに歌われる。 「ただ一度だけ」と歌うのは、二度とかえらぬ美しい思い出はただ一度だけ、という意味だ。
明るいメロディの中にもどこか憂いを帯びるのは、人の世の儚さに思いを馳せながら、 お幸せに!と願わずにはいられないからだろうか。
 
 
 
 
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