国防問題
2020年9月11日
石井ト
最近、「佐高八期会掲示板」で集団的自衛権の問題がホットだ。
集団的自衛権の問題とは、言い直せば国防問題である。
理由は、国防に関する憲法の不備を集団的自衛権に関する内閣法制局長官答弁で穴埋めしている現状にある。
以下、国防問題の経緯、問題点、改善策について私見を記します。
なお、本稿は、「佐高八期会掲示板」における山下君の「平和主義」(2020/9/3)、及び「集団的自衛権」(2020/9/9)を参考にしています。
また、掲示板の編集機能は低く文章の構造化表現が出来にくいので、本HPにて掲示することとしたものです。
- 国防問題対応の経緯
- 現憲法制定
- 国連軍の機能不全
- 冷戦等の影響で、国連軍が機能しないことが分かり、二国間同盟たる日米安保条約を結んだ。
- 憲法の不備(国防条項がないこと)への対応
- 現状は、集団的自衛権の限定容認で対処している。
- 問題点
- 国防に関する憲法の不備を集団的自衛権に関する内閣法制局長官答弁で穴埋めしている。それが根本問題で、その結果が、憲法の空文化として顕われている。
- 改善策
- 憲法改正:国防軍明記
- 日米同盟:地位協定改善
- 抑止戦略:構築
- 所感
- あまり細かいことに捉われず、メタ視点で全体を俯瞰した方がいい。これは、その一例。
木を見て森を見ないことにならないようにした心算だがどうだか。
- 改善策に挙げた「抑止戦略」は、山下君の「平和主義」(9月3日)からのアイデァ借用だ。
内容は専門家に任せればいい案ができるはず。人選は大事だが。
- 日本人は凝り性だと思う。例えば刀、これは研ぎ澄まされた感性で磨かれて日本刀を産んだ。
その結果、武器としての実用の域を超え芸術品となった。
そのようないい面もあるが、反面、技術ブレークに弱い。
例えば、スマホ。色んな機能をてんこ盛りにするあまり、コスト高となり、世界的競争力を失った。
先の大戦でも、大艦巨砲主義を深堀し、戦艦武蔵・大和、を産んだが、時は既に航空機優位時代になっていた。
これら時代遅れの原因は、要するに時の流れを読んでない!ということに尽きる。
要するに物の品質は、機能と時間の関数と云うことなのに、機能だけ追うのは片手落ち。時間軸も考慮しないといけない。
憲法も同じ。時の流れを取り込まないといけない。そのためには、細かいことに捉われず、メタ視点で全体を俯瞰することだ。
関数論で言えば、憲法の品質は、機能と時間の関数だと云えるだろう。
機能は、国民保護。時間は時の流れ、「時間=一定」はあり得ない。
このことを式で書けばこうなる。
      憲法の品質  = ƒ(国民保護力,時間) 但し、時間>0
こうやって見ると分かるだろうが、関数表現すると、言ってることが一目で分かる。
文字は漢字、かな文字、アルファベット、数字、特殊記号、全て記号だ。
だが、この記号の並べ方で、無駄なくしかも簡潔に言いたいこと、即ちコンテンツが、すっきり表せたり、解り難くなったりする。
余談ながら、この記号化の上手下手が、コンテンツの内容把握性に大きく影響するだろうことは自明なことだろう。
この意味で、西洋式の横書きでアルファベットという精々数十個の記号と、これも精々数十個の特殊記号を用いたコンテンツ表記法が、
漢字圏の縦書き、数千個の漢字を用いたコンテンツ表記法に比して数段優れていることは明らかだ。
和算の表記法は知らないが、直観的にそう思える。
即ち、頭脳の問題より以前に、コンテンツ表記法の巧拙が、西洋科学文明と東洋科学文明に、格差を齎したと推測される。
要するに、出来るだけ簡素に解りやすくエレガントに、という考え方が大事だということである。
若し、東洋文明にこの思想、即ち、出来るだけ簡素に解りやすくエレガントにという思想があったなら、
恐らく、漢字という表意文字は成立しなかったのではないだろうか。
だが、現実は漢字がある。従って、その思想は無かったと云える。寧ろ器用・勤勉・努力を貴んだのだろう。孟子断機の逸話が思い出されるように。
結果、東洋文明は記号化に於いて出発点でハンディーを抱えてしまったと推測される。
表記法ごときに何ほどのことがあるというのか!と低く評価してはならない。
理由は、その影響は、国民一人一人の思考過程に作用するのであるから、全体としては膨大な影響を齎すのだ。
恐らく、器用・勤勉・努力の人限定の場合に比べれば、その影響は数十倍大きいだろう。
更に、時間経過を考慮に入れれば、その差は、指数関数的に効いてくる。
要するに、国民レベルで思考参加できるか、それとも極く限られた人だけに限るのかがその分かれ目なのである。
単純さは、エレガントでもあり、アイディアの発想・発展に最も必要な条件である。
- 意識について
小生、今、人間の「意識」について勉強中。
それに由れば、かぶと虫は意識がないそうで、
例えば「光を背にして飛ぶ」というようなルールに従って飛ぶだけとのこと。
憲法を固定しそのルールに従うだけというのは、意識においてかぶと虫並みかも。
- 参考資料
- 9条解釈について筋論
(秋山収内閣法制局長官ウイキペデァより抜粋)
氏は、憲法解釈の変更について「なぜ解釈変更するか、どの範囲でやるか、規定の条文との整合性はどうか、なぜ変える必要があるのか、という問いに対する合理的な説明が必要」と述べている。そのうえで、日本国憲法第9条に関する憲法解釈については「9条の解釈に対し、現状にあっていない、不満がある、というのなら、立法府として9条を変えるよう立法措置を講じるのが筋」と指摘している。
- おまけ
- Whispering Hope (1868):ここをクリックのこと。
可成りシリアス(serious:深刻な))な話をしたので、ソフトな曲を聴こう。「希望のささやき」だ。
この曲は、ホーソン作曲の歌だが、日本では二宮瀧雄が「夏の光」という題で詩をつけ、唱歌として歌われた。小生はお袋から教わった歌。
歌詞は違うがメロディーは一緒、懐かしい!
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