都知事選に思う:誰に投票するのか

令和2年6月20
石井ト
明日は夏至、都議選の投票日が迫っている。7月5日(日)だ。 これを機に、標記の題名で思うところを書いてみた。 良かったらご覧ください。
我々の年代は、戦前・戦中の影響を引きずりながら、民主主義教育を受け、これが一番いいものだと思いこんできた。 だが、最近の、ポピュリズムの横行と無責任な政権の存在、民主主義の齎した結果がこの様では、こんなはずではなかったと戸惑い感じている。
民主主義それ自体に疑いの余地はない。だが、改良の必要を感じる。 それは、選挙の度に思うことだが、誰に投票するかということに指針がないことである。
民主主義の原則では、
民主主義国の市民は、権利を持つだけでなく、政治制度に参加する責任を持つ。その代わり、その政治制度は市民の権利と自由を保護する。
とあることから、選挙に参加し一票を投じる義務があることになる。 だが、投票するとなると、誰に投じるか、客観的な指針がない。それが問題だ。
一般的には、新聞に載る選挙公報の中の本人の主張から判断することが多いだろう。 この他にも、街頭演説、演説会、政見放送、テレビ討論、ちらし、ポスター、などでの政見発表があるが、吟味するほどの時間も限られているし、 人柄の実感も得られない。それに、候補者の言われることが願望のてんこ盛りでつまらない。
このような状態だから、候補者選びに頼りになるメジャーがないのが問題である。
  1. 問題点
    その結果、次の欠陥が生じる。
    1. ポピュリズムの横行
      • タレント候補が有利
        政策よりも人気ものに一票を投じるので、タレント候補が当選し易い。
      • 人気取り政策
        パンとサーカス政策が横行する。
      • キャッチコピー化
        サプリメントの広告文のようなキャッチコピーで人気をとる。
    2. 世襲化
      親の知名度から2代目を選ぶことが多くなる。その結果、政治家の世襲化が現実化する。 政治家を見ると、2代目というのが多い。今の総理も2代目だし、世襲でないのが珍しいほどだ。 世襲化は貴族化に繋がる可能性が大きく立憲君主制に通じる怖れがある。
    3. 官僚出身議員の増加
      その経歴知名度により官僚出身の議員が増え、政官が癒着する
    4. 棒読み答弁
      ポピュリズムの横行、世襲化により、バカでも当選することになる。 従って、予め質問を集め、答えを官僚が書き、それを棒読みする大臣が増える。大臣のアナウンサー化が起るのだ。
    5. 無責任の横行
      「責任は私にあります」と言いつつ、云うだけで実際は何もしない。この繰り返しが、政治不信を招く。
    6. 財政悪化の進行
      安易に金を掛け、その付けを赤字国債という国民の借金に回す政権は、頼りない。 金を稼ぐ方は放置したまま、使う方だけに熱心な政権に信頼はない。使うだけならバカでもできるからだ。
  2. 解決策
    斯かる問題を解決する方法を提案したい。次の通りだ。
    • AIによる政治家の活動評価システムの構築
      議員活動を数値化して評価し公表する。 居眠りしたり、無関係な動画を見たりするのも含まれる。
    • AIによる選挙公約の実現評価システムの構築
      議員一人一人の選挙公約の実行性をAIを使って評価するシステムを構築し公表する。
    以上、2例を表示したが、要するに、候補者の実体を示す情報が示されなければならないという考えだ。 そうでないと、口先だけの甘言が横行し、民主主義が、民従主義に変じてしまう怖れがある。
  3. 効果
    例えば、サラリーマンの場合、人事考課システムが稼働していて、その結果で、地位や給与などの待遇が決まる。 だが、議員の場合、そのようなシステムは無い。当然作るべきもののはずである。何故なら高額の報酬等を受ているのだから。 作れば、もっとピンとしてくるはず。即ち、次の効果が期待できることになる。
    • 政治家の信用が増す
      活動評価システム、選挙公約の実現評価システムが出来れば、優れた人材に投票が集まり、 その人材を通じて、市民の権限が有効に行使されるだろう。即ち、信用される政治家の誕生が期待できるとなる。
    • 政治家も喜ぶ
      今の政治家って、どこか胡散臭い印象だから、政治家自身も居心地わるいのではないだろうか。 斯かるシステムにより政治活動の透明化がなされれば、政治家も喜ぶはず。
    • 投票率が増す
      分り易いので、投票率が増すはず。
    • 選挙コストが下がる
      合わせて、オンライン選挙を実施すれば、投票者も選挙事務所もコストと時間が節約できる。
    • やってる感の排除
      総理は嘗て臆面もなく「やってる感が大事」と言った。だが、実際はやってないのだから良い評価は得られないだろう。 「やってる感が大事」なんて価値観は子供っぽい。自前で食ってる民間会社で、こんなこと言ったらぶっ飛ばされるのが落ち。
     
  4. おまけ
    民主主義の問題点:取り合えず列挙して、後で追記するかもだ。
    • 少数派が無視される
      富める市民と貧困市民の二極化が進み、後者の貧困層市民は無視され実質的に奴隷化する。
    • 独裁化
      弱小野党の乱立により一つの政党が実権を長く持つことで、実質的に独裁制が実現する。
    • 棲分け安定
      野党の怠慢が常態化し、野党と与党は暗黙の棲み分けで安定する。・・・忠実義務違反もいいとこだが、そこまではないと思う。 だが、自覚しないだけか、やってる感にまみれてるだけかも。
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