(本歌 : 百人一首から文屋康秀。)
吹くからに秋の草木のしをるれば
むべ山風を嵐といふらむ
(歌意)吹き降ろすとすぐに、秋の草木がしおれるので、なるほどそれで山からの風を、嵐というのであろうか。
替え歌を一首。
字を見れば秋の草木は知らねども
むべ山風を嵐といふらむ
都々逸を一句。
思い悩ませその気にさせて 月を残した山の風
(本歌 : 百人一首から大江千里。)
月みればちぢに物こそかなしけれ
わが身ひとつの秋にはあらねど
(歌意)月を見ると、さまざまに、物みなすべてが悲しく感じられることだ。私一人だけの秋ではないのだけれど。
替え歌を一首。
月みればちぢに物こそ嬉しけれ
嵐のあとの月にしあれば
(本歌 : 百人一首から素性法師。)
いまこむといひしばかりに長月の
有明の月を待ち出るかな
(歌意)今すぐ来るよとあなたが言われたばっかりに、長月(9月)の夜長の長い時を待って、ついに明け方の月をみることになってしまった。
要するにすっぽかされたわけだ。
替え歌を一首。
いまこむといひしばかりに山嵐
中秋の月を待ち出るかな
「都々逸(どどいつ)は、江戸末期に初代の都々逸坊扇歌(1804年-1852年)によって大成された口語による定型詩。七・七・七・五の音数律に従う。」
(ウイキペディアより抜粋)