注意力低下の記

2019/8/20 石井ト
このところ注意力が落ちている。
それを証明する事件が起きた。落とし物である。8月6日に1件、懲りずに8月8日に1件だ。
最初のは、小物入れに入れたスマホ。2回目のは、これも小物入れに入れたスマホ、鍵、コンパクトデジカメ、小銭入れだ。
最初は、出てくるのではないかと淡い期待を持っていたが、あれから10日以上経つが駄目。
もう諦めて、昨日、新しいスマホを注文した。
私のスマホ生活は極めて限定的だ。それは、使い道も家内とのメールにほぼ限られているからだ。 従って、SIMフリーの器械に格安SIMを噛ませて使っている。SIMはデータ通信専用のSIMで、月額通信料は300円。
家内は音声通信を望んでいるが、私の使い方からすると無駄が多い。 何故なら、出かけた先から「これから帰る」と家内に伝えるのが主な使い方だからである。 また家内も、私の外出先が井の頭なら、吉祥寺のうなぎ屋(実は昔からの行きつけ)でうなぎ買ってきて!」とか、 食パンが切れたときとかは、帰りに食パン買ってきてと云う程度だから、リアルタイムで繋がる音声通話SIMにする必要を感じない。
かくて極めて使用量の少ないスマホだが、それでも、どこにいてもメールで連絡がとれるのは大きい。 一旦出たら、帰るまで連絡のしようがないという状態に比べれば雲泥の差だ。
考えてみると、いつでも好きな時に誰とでも音声通話出来るということにどれほどの効用があるだろうか。 少なくとも小生の場合は、殆どない。 そのために支払う対価に見合わないと言えるだろう。
それに私は電話が苦手。雑談するには頭の回転が追い付かないからだ。 携帯でぺちゃくりながら歩く人を見かけるが、私に言わせれば神業に思える。
それから、スマホの使い方に、通信用ではなくミュージックプレーヤーとしての用法がある。 パソコンでゲットした音源(MP3形式の音楽ファイル)を、スマホに移し、それをサイクリングしながら聴くのである。 勿論、この場合はSIMは抜いてある。従ってメールもできないし、インターネットも見れない。 ただ中にため込んだ、即ちインストールした音源をイヤホンで聞くだけ。通信料はゼロである。
私は、このような使い方でスマホ(内1台は秋葉原で買った中古品)2台を持っていた。 使い道も重要なものではなかったが失くしたときはパニクった。
しかし、嘆き悲しんでいても仕方ないので、一つ一つ、喪失の孔をつぶしていったという次第だ。 例えば鍵だが、デスクの鍵が予備が見つからず、開けるのに1日を要した。 それに、最初に落とした小物入れは久留米絣の逸品で、家内の贈り物だったのが惜しまれる。 でも、また何か見つけてくれるだろう。
兎に角どうにもならないことで悩んでも仕方がないから、そんなのは忘れて頑張ろうと思う。 肝心なのは、そんな現実、即ち己の注意力低下を知ることだ。
現実は 忘れたころに やってくる
アポもとらず 居留守も効かず
である。
あいたくない現実ってあるものだよね。だが逃げるわけには行かない。男なら・・・、 ヘミングウエイの老人みたいなものだ。