ボーカロイド

2020/05/27 石井ト
  1. イントロ:
    小生が、VOCALOIDに気づいたのは、同期の野中君の投稿記事「うろ覚えの往時の歌を口ずさむ(野中 進)」を読んだからだ。 その中に「北帰行」が入っているが、そのヴォーカル担当の緑咲香澄がボーカロイドだった。
  2. ボーカロイドとは:
    ボーカロイドは、ヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称である。 メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる。 唄う「ボーカルのようなもの」或は、ボーカルロボットとでもいうものである。 詳しくは、ウイキペディアを参照のこと
  3. 語源:
    VOCALOIDという名称は、「vocal(ボーカル)」に接尾辞の「-oid」を組み合わせて作られた造語である。 「-oid」は「〜のようなもの」「〜状の」という意味の接尾辞で、「human(人)」と組み合わせれば「humanoid(ヒューマノイド)」、 ギリシャ語で男を意味する「andro」と組み合わせれば「android(アンドロイド)」となる。androidはご存じスマホのOSで有名。 だが、その意味が「男のようなもの」となっることは知らなかった。女なら"donnoid"だろうか。VOCALOIDについては「ボーカルのようなもの」といった意味となる。 スターウォーズでは、ドロイドとして、R2−D2やBB−8が出てくる。 ドロイドの詳細は、ここをクリックのこと
  4. 技術:
    VOCALOIDの歌声合成技術は「素片連結型」と呼ばれるもので人の歌声の録音から切り出した歌声の素片を周波数領域(周波数ドメイン)で接続、 加工することで歌声を合成する。合成の際、強弱やビブラート・息つぎなどの表情の情報を加えることでリアルな歌声が作られる。
  5. 所感:
    小生が、VOCALOIDに気がついたのは、同期の野中君の投稿記事「うろ覚えの往時の歌を口ずさむ(野中 進)」を読んだからだ。 その中に、「北帰行」が入っているが、そのヴォーカル担当の緑咲香澄がボーカロイドだった。
    世の中、進んでいるのか劣化しているのかわからないが、この曲については合格だと思った。それで、他の曲にもいろいろ当たってみたのだ。 YouTubeには沢山収録されているが、一つ素敵だと思ったのが、「琵琶湖周航の歌 旧制第三高等学校」だ。 聴きたい方は、ここをクリックされたい
    昨年、大晦日の紅白歌合戦で、美空ひばりのボーカロイドが登場したが、あれはイマイチだったと思う。・・・似てるようで似てない!だな。 だから、誰かを真似するレベルには進化してないと思われる。だが、真似ではないオリジナルヴォーカルとしてなら、中にはいいのもある、ということだろう。 技術のとこで、「強弱やビブラート・息つぎなどの表情の情報を加えることでリアルな歌声が作られる。」とあるが、その微妙な加減が決め手だろう。 今のレベルでは、「北帰行」や「琵琶湖周航の歌」のように、淡々と歌う曲調の歌が、上手くヒットするのではないだろうか。・・・その内、強弱やビブラート・息つぎなどの表情まで、真似るAIが出現するだろう。 聖歌や御詠歌など比較的ヒットしやすいかも知れない。淡々と歌うからだ。
  6. おまけ:
    明けて1日たったが、今は生憎の雨。時々雷鳴がしている。・・・憂鬱だから、もう1曲、リンクを貼ろう。 「旧制佐賀高等学校寮歌」だ。こんなのあるなんて知らなかった。寮があったのは憶えている。今の県立博物館のあったところが佐賀師範学校で、 その裏に寮があった。プールもあったな。小学校の頃はよく泳いだものだ。
    寮と言えば思い出すのは、村岡クンチー。小学校3〜4年のころかな〜?彼が、私に「泳ぎに行こう!」と誘ったのだ。私は聊か意外だったな、 何故ならクンチーは勉強家で我々悪餓鬼仲間とは一線を隔す仲だったからだ。 でも、そんなのも構わず強引に仲間数名を引き連れて、プールに泳ぎに行った。師範学校のプールで寮の傍にあった。 寮と言えば一目汚いところで、貧民窟みたいだった。だから恐々傍を通ってプールへ向かった。 頃は未だ寒さの残る4月頃で泳ぐには早すぎる時期だ。幾ら泳ぎ好きな餓鬼どもと言え、えっというほど季節外れの挑戦だった。 当然、未だ、プールは整備されてなく、冬越しの水を張った状態で、水は緑色で水面は水草で覆われていた。 そんな中で、水草をかき分けかき分け泳いだのを憶えている。びっきがいたな。 蛇がいないことを祈ったものだが、師範学校の学生や先生などに見咎められることもなく思い切り泳げて愉快だった。 今は亡きクンチーと我が幼き頃の思い出だ。メンバーは、村岡以外、多分、野田(怜二?)、魚住、桑原、平島、末安、辺りかも。
    寮歌からプールの思い出に至ったが、その寮歌、聴いてみよう。ここをクリックのこと
  7. おまけ2:
    今、朝ドラの「エール」の主人公、古関裕而の作曲の「雨のオランダ坂」(昭和21年)を聴こう。
    この曲は、渡辺はま子のヴォーカルが有名だが、緑咲香澄のを聴いてみよう。 ここをクリックのこと
    矢張り、渡辺はま子には遠く及ばないが、まあまあの線に至ってるのかな?だね。 渡辺はま子のも聴いてみたら、遠く及ばない事が分るというものだが、強弱やビブラート・息つぎなどの表情の情報を更に工夫することで、も少しよくなるだろう。 だが、それ以上は多分無理。何しろ感情が無いのだから限界があるというものだ。
    渡辺はま子の「雨のオランダ坂」、聴いてみよう。ここをクリックのこと
    古関裕而の曲、いいね!この外、「暁に祈る」(伊藤久雄)、「愛国の花」(渡辺はま子)など、素晴らしい!。
    この歌詞を書いたのは菊田一夫。彼は昭和28年にラジオドラマ「君の名は」の原作者だが、この「雨のオランダ坂」の歌詞も素晴らしい。 昭和28年と言えば中学2年。あのころは分からなかったが、素晴らしい才能の人だったことが、今になって実感できた。
    その歌詞の1番で、
    小糠雨降る港の街の
    青いガス燈のオランダ坂で
    泣いて別れたマドロスさんは
    縞のジャケツにオイルのコート
    煙にむせてか泣いていた泣いていた
    の中にある「オイルのコート」。 これが意味が分からず、長年疑問だったが、今回初めてその意味がわかった。 ネットによると、次の通りだ。
    1894年、ジョン・バブアーによってイングランド北東部・サウスシールドで創業したBarbour(バブアー)。 北海の不純な天候の元で一心に働く水夫や漁師、港湾労働者のためにオイルドクロスと呼ばれる上質なコットンにオイルを染み込ませた布生地を 提供したのが始まりです。その革新的なオイルドクロス製の防水ジャケットは、非常に耐久性が高く、評判は瞬く間に広まっていきました。
    上質なコットンにオイルを染み込ませた布生地、即ち、「オイルドクロス」("oiled cloth")から来ていたのだ。 何でコートとオイルがくっつくのかわからなかった。だから、オイルのコートのオイルが文字通り油だったとは思わなかったのだ。それが分ってよかったよ。 詳しくは、ここをクリックのこと
    菊田一夫が歌詞にこの「オイルのコート」をいれたのは流石だね。マドロスとオイルコートの繋がりをよく知ってたということだから。
    菊田一夫という人、我々より30年先輩の1908年生まれだが、幼少期、凄く苦労したようだ。 養子に出されたり、売られたり、転々としたようだ。だが、矢張り才能があったのだろう、自分だけの力で立ち上がり、劇作家、作詞家、東宝の経営者、など活躍したのだ。 日頃から言葉には注意していたのだろうが、意識してではなく、自然に記憶に残るというレベル、即ち天性の才能を持った人(ギフテッド)だったと思う。 それは、この「雨のオランダ坂」の一番の歌詞を見ただけで分かる。 66歳で亡くなられたそうだが、惜しい人だったと思う。
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