羽村産業祭

石井俊雄
今日は、昔で言えば明治節。晴れとなる気象上の特異日だ。
それで、最初は身延山に長男一家とお参りする予定だったが、前日になって孫が風邪をひき延期したので暇ができてしまった。
そんな朝、隣のおばさんが家の前を通りかかり、「羽村で産業祭やってるわよ。出店とか沢山出てる。」と教えてくれた。 それに、数日前結果の出た特定健康診断がOKと出たので、気をよくしていたので、家内と出かけてみた。
結構賑やかにやっていた。 いろんな出店が出ていた。 八丈島から島海苔の特産品を売る店が出張って来たり、清里の生牛乳やヨーグルト、地元の農産品直売所、音楽イベントの大音響、 祭囃子も生でやっており、半纏・腹掛・帯などの祭り衣装した地方の人たちが大勢酒を飲んだりしていた。
小生が興味を持ったのは、自衛隊の軽装甲機動車が飾ってあったこと。 ああいうのは餓鬼の頃から好きな方だから、何枚か写真をゲットし、皆さんへ見て頂こうかと思った次第。 よかったらご覧ください。
 
「軽装甲機動車」だ。
横田基地から来てると言ってた。横田基地は、瑞穂町、昭島市、羽村市に跨っているので、羽村市のイベントにも来ているようだ。
横田は空軍だろうと言ったら、航空基地警備用に全国の航空自衛隊がこの車両を持っているとのこと。 横田配属は2台とのこと。
「幾らする?」と訊いたら、「3千万円」とのこと。勿論一台当たりだ。 近くにいたおっさんが、「大型のダンプが一台1300万円くらいだから、大型のダンプ2台分以上かかるのか!」と、 自らの価値観に照らして感嘆の声を挙げていた。
一般のアウトドアような車、例えば、トヨタのランドクルーザーとかよりも、ごつい。 そして、決定的な違いは、屋根のハッチから飛び出た機関銃座だ。 写真では、防楯が写っている。
 
 
防弾チョッキと鉄兜を被ってみた。初めての経験だ。防弾チョッキは付添の自衛隊員に訊いたら重さ15kgとか。鉄兜は訊かなかったが5kgはあった。 この2つを着けただけでも、ずしっとくる感じだった。足がよろよろまでしないけど、踏ん張らないといけなかった。
 
 
左側面から見た内部の写真だ。
後部座席の天井に何かベルト状のものが半円形に垂れているのが見えるが、それは、機関銃手がそこに腰掛けるためのブランコ状の座席とのこと。 そして、機関銃座は360度回転するそうだ。
それで、横田基地で巡回するとき、武装するのかと訊いたら、武装しないとのこと。 米軍も同じように巡回するが、米軍は武装しているとのこと。 自衛隊は丸腰で米軍は武装しているとはどういうことかと訊いたら、横田基地は米軍の基地で、航空自衛隊は間借りしているに過ぎないとのこと。 「自分の国なのに間借り人とは情けない」と私は言った。
 
 
後方からの写真。左側に「横基」と書いてある。横田基地のことだ。
写真上部の防楯、銃眼は楯のセンタに付けるのではなく、少し右よりに付いているのが分る。 考えてみれば、普通、銃床を右肩に当てて撃つので、確かにセンタではバランスが悪い。良く考えてあるようだ。
しかし、横田基地内では非武装とはね、自衛隊は難しい制約の中で遣り繰りしているのかなという印象だ。 こんな環境にあっては、工夫の対象も防楯のようなパーツレベルに限られてしまうのかもしれない。 これでは、風通しの悪い社風の会社員のようなもの。息が詰まるのではないだろうかと気の毒な気もした。 まだ、負けを引きずっているようだ、と云うのは私だけだろうか。
 
 
陸上自衛隊の持っているのと違うのかと訊いたら、全く同じとのこと。
ギヤチェンジはオートマティックかと訊いたら、そうだとのこと。 ちょっと意外な応えだった。
ウイキペデイアによると、隊員の評価は余り高くないようだ。 詳しく知りたい方は、ここをクリックされたい。
小生も、素人なので、見た目のことしか言えないが、一言だけ言うと、「形がよくない」と思う。特に、側面からのフォルムが、洗練されてない、野暮ったいフォルムだ。 旧軍もそうだったように思う。別に、フォルムが戦果に直接の影響を及ぼすわけではないが、矢張り、洗練された姿、これは大事ではないだろうか。 人は見た目に反応するのだから。
この装甲車の説明を聞いてるとき、上空を航空自衛隊のブルー・インパルスのジェット機が6機、上空を比較的低い高度で飛んでいった。 自衛隊員に訊いたら、あれは、入間基地で開催された「入間基地航空祭」でアクロバット飛行を披露し帰途についたものだとのことだった。 今日がそうなら、其方へ行くのだったと言ったが後の祭りでした。 でも、軽装甲機動車も素敵でしたよ。機関銃でも積んであればなお良かったけど、仕方ないか。非武装なのだから。
帰宅後、「入間基地航空祭」のことをネットで調べたら、ブルーインパルスの演技は12時45分〜14時00分とあった。 それで、時刻からみても当に演技を終えて帰投するときの姿だったわけだ。これは私の想像だが、 この「羽村産業祭」に展示参加した軽装甲機動車部隊向けのブルーインパルス隊長の心配りだったのではないだろうか。 でなければわざわざ当会場の真上を通るはずがない。偶然にしては出来過ぎだ。だから、航空自衛隊の士気は高いことが分るというもの。頼もしい限りだね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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