堀口大学 恋人に関する調査

石井俊雄
今朝、天気よくなかったがテレビで、「堀口大学 恋人に関する調査」という番組をやっていた。 NHKBsのプレミアムアーカイブスからの番組だ。
内容は、堀口大学というフランス文学者とフランスの画家マリー・ローランサンとの関わりを述べたものだ。
小生、堀口大学については翻訳家として名前を知ってる程度で、 確か、モーリス・ルブランの怪盗ルパンが彼の訳だったと、微かな心当たりに行き着く程度。
番組は、1時間50分ほどもあったが、小生、感化され易い性向の所為もあるからだろうが、 堀口大学という人を見直してしまった。
理由は、初めからフランス文学者を目指したわけではなく、 外交官の父親に連れられた幼年期からの長い外国暮らしが、結果として、 もたらしたものだったからである。 要するに、意図的に狙ったものではなく、体験を通して自らの感性に殉じた結果だったからである。 好きでもないのに、学者を目指されても、迷惑だ。
その感性の証明として、番組で取り上げられた詩を書いておこう。
ヴェルレーヌの「忘れた小曲」(堀口大学訳:抜粋)

たったひとり女のために
わたしの心は痛かった
今ではどうにかあきらめたが
そのくせわたしは泣いている

・・・・
素敵な詩だよね。
この番組に触発されて、ネットで見付けたヴェルレーヌの詩文を書いておこう。 音楽も付けて。
音楽は、ルシー&キャスリン・ロブソンが歌う「わたしの心に涙ふる」だ。
ヴェルレーヌの「われの心に涙ふる」(堀口大学訳:抜粋)

巷(ちまた)に雨の降る如く
わが心に涙ふる。
かくも心に滲(にじ)み入る
この悲みは何ならん?

・・・・
もう一つ、番組のフィナーレを飾った堀口大学自作の詩「すぎた日頃」(抜粋)を書いておきます。 昭和25年に、神奈川県湘南の葉山町に終生在住し、昭和56年没、享年89歳だが、その最晩年の作品だ。
行ってしまった
遠くの方へ
すぎた日頃は
よい日であった

・・・・
最後に、この番組に触発され、自作の詩文を書いたので添えさせてもらいます。
「わがまま」

アッ!家内が魚を焼いている
ブリなら食べる
スズキなら食べない
シャケなら食べる

外は雨
しとしとしとと冬の雨
それでも私は幸せさ
家にこもっているけれど
美味いランチが食えるから
 
 
 
 
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