彼女の作品を聴こう
彼女は、歌謡曲の作詞、訳詞、作詞(合唱曲、校歌)、著作、翻訳、などに活躍しているが、私がなんと言っても感心するのは、
言葉の豊かさ、自然さ、に感じるからだ。
多くの作品の中から、「愛の讃歌」と
「旅人よ」と
「サン・トワ・マミー」にリンクを張っておく。
越路吹雪って声はよくないよね。どう聴いたって、うっとりするような声ではない。
我が同期の枡山さんの方が、肉厚でシャンソン向きの声だと思う。
だけど、声は力強いし、歌唱力はある、と思う。
野球のピッチャーで言えば、球速は大したことないが配球力でカバーというところかな。
そこへ行くと、加山雄三は声がいい。声帯がいいということだ。生まれながらの良い声の持ち主だと思う。
餓鬼の頃、肉食で育ったのかな、という感じだ。
歌唱力も良い。
作曲もしたのだから、その方の才能もある。
その才能が、一番発揮された曲がこの「旅人よ」だと思う。
途中で、変調するところなど、心憎いほど素晴らしい。
そのメロディに岩谷時子の歌詞がぴったし嵌って素敵な曲となっている。
「旅人よ」の一番の中の次のフレーズが特に良い。
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お聞きはるかな 空に鐘が鳴る
遠いふるさとにいる 母の歌に似て
やがて冬が冷たい 雪を運ぶだろう
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「旅人よ」の二番では次のフレーズが特に良い。
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ごらんはるかな 空を鳥がゆく
遠いふるさとに聞く 雲の歌に似て
やがて深いしじまが 星を飾るだろう
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こんなフレーズをスーット紡ぎ出せるのが天与の才というものだろう。
岩谷のルーツは島根県大田市の篤農家。島根県の出身者にはインテリジェントな気品がある。
不昧流茶道の影響だろうか。著名人では、森鴎外、錦織圭、竹内まりや、などが浮かぶ。