ナルシシズムの匂いが・・・?

宇佐見 輝子
石井俊雄さんのご依頼により私の所属する月刊俳誌「好日」のご紹介と近況を書かせて頂きます。
好日主宰は長峰竹芳氏85歳、俳句歴67年の大ベテランですが、四代目の主宰になられて9年目位でしょうか。 大変な博識で、特にその文章には前から魅せられていましたが、元新聞記者と聞いて納得しました。
私が師二人を亡くした時、同人で受け入れて頂き7年目に入りました。 私は句歴ようやく30年になりましたが、この好日では新参者なのです。
毎月同人欄の「白雲集」欄に5句と主宰の選を受ける「好日集」欄に6句の合計11句を今のところ欠稿なく投句しています。が好日集の方で6句載る人は同人百人中巻頭の5人に限られ大方は5句掲載となります。その中でも第一席はやはり憧れです。 この度3月号がその一席となり嬉しいには違いないのですが、正直果たして巻頭一席にあたいするのか全く自信がありません。 ただ中の1句に主宰の句評がつきましたのでご披露させて頂きます。
「初湯出て鏡暗しと思ひけり」
自分の正面の顔かたちを現時点で認識できるのは、鏡しかない。 鏡には自分を愛するナルシシズムの匂いがつきまとうが、この「暗し」も作者の心理的印象。初湯という新年の気分と鏡から受ける陰翳を意識した心の動きが読める。
 
 
 
 
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素敵な俳句
石井俊雄
この俳句、素敵だと思う。
小生、素人だけど、いいものは見た瞬間に分かるような気がするのだ。
そう言えば、数日前、朝日新聞の天声人語に、そのようなことを書いていた人がいた。
誰だったか・・・?
確か開高健だったかな?
彼は魚釣るから余り好きではないが。
もう一つは、例えば、ゴッホの絵、これって見た瞬間にグッと来るよね。
たとえ素人でも。
だから、ある意味で本質的なのだ。
内容も、老境の複雑な心境を映したよい俳句だと思う。
彼女が、そこまで意図したのかどうかは分からないが、意図しなかったにしても思わず滲み出てしまったと云うとこだろう。 色に出にけりわが恋は・・・というわけだ。
俳句の面白さと云うか詩作の面白さは心理描写、乃至は心理投影、にあるのかも知れないね。 (2014/2/26 8:21)