宇佐見さんの句集出版お祝い会

H30/5/19
石井ト
昨日、石井(浩)君の音頭とりで有志が集まり、宇佐見さんが句集「オパール世代」を上梓されたことへのお祝いの会を持ちました。
その会の様子を写真に撮り、句集から数句をピックアップし、また川柳など添えてHPに掲載いたします。よかったらご覧ください。
会場は「新日鉄代々木倶楽部」でしたが、終わって出るときの写真です。
いきなり終わりの写真で申し訳ないが、会の間は写真のこと、すっかり忘れていました。 重い一眼レフは難儀だから、軽いコンパクトデジカメに代えて来たのにです。 矢張り、重い一眼レフの方が自己主張が強く、軽いのは目立たないのかもしれません。 だから忘れていたのですね〜、・・・私だけが悪いのではないよ!と言いたいわけです。
・・・この歳になると、言い訳だけは上手くなるようです。・・・年の功と言うべきかも。
言い訳が 年の功とは ちょい寂し
ですが。
これ、川柳。輝ちゃんの正調俳句とは格が違います。でも、彼女の句集を見ていると、川柳的な句があるように思えます。 川柳的とは、私なりの解釈では、サザエさんの漫画チックな句、という感じの句です。それについては、最後のところで、とり上げます。
石井(浩)君の帰るときの写真です。ふっと思い出して咄嗟に撮りました。
彼は今回の会合をセットアップされましたが、日程調整が定まらず取り纏めが大変だったと思います。 でもそれを乗り越えて本会を開催頂きました。感謝しています。
この後、ご婦人方は小田急線参宮橋駅を目指し、永渕君と小生は、都営大江戸線代々木駅を目指しました。 永渕君からは別れ際、何かいいとこ見つけたら連絡してね!と言われました。 私の理想とするところは、日本アルプスや南アルプスの稜線歩きだが、稜線に出るまでの行程が体力的に無理。 矢張り、谷根千歩きくらいが相当かも。谷根千とは、「谷中」の谷、「根岸」の根、「千駄木」の千です。
宇佐見さんの句集「オパール世代」から、小生が川柳的だと思う句をピックアップしてみます。なお、表記上、575の間はスペースで区切っています。 句集では、区切ってありません。念のため記しておきます。
  1. のんびりの 存外虚し 三ヶ日
    これ、何となくわかりますよね。客が来れば嬉しいがのんびりできない。だが来なければのんびりできる反面何か虚しい。 そんな人情の機微を句にされたのかと思います。
  2. 九月来る 三面鏡の 二面より
    人は自分の顔を知っている。何故なら、鏡で見るから。写真で見ることもあるが、多くの場合鏡で見るのが普通だろう。 その鏡も大概は一面鏡である。 だから、三面鏡で、見るとき、普段は気づかない自分に気づかされることがあるはず。この句は、その際の新発見を言葉にしたもの。 よい方の新発見なら嬉しいが、この場合どうなんだろう?「九月来る」のフレーズがそれを決めるだろう。 思うに九月は秋の気配の忍び寄る月。であれば、あまり良い発見では無いような気もするのだが。果たしてどちら?
  3. コスモスに 右向け右の 風が吹く
    私はね、この句は群生するコスモスが秋の風に揺れてる風情を詠ったものだと理解していたが、作者によると今の時代、嘗て来た道を揶揄ったものとのこと。 嘗て来た道とは、戦前戦中にかけての大政翼賛社会を、また今の時代とは、あらゆるところで忖度が幅を効かす社会の風潮を句にしたそうである。 悲壮感のない輝ちゃんらしい表現ではないだろうか。
  4. 種を蒔く 明日が有ろうと 無かろうと
    この句は、我々シニア世代の応援句だよね。彼女には独特の明るさがあると思う。ルッキングフォワードだ。だからサザエさん風と感じるのかも。
まだまだとり上げたい句があるが、ここいらで止めておこう。
だが最後に、難読漢字について少しだけ書き足すとしよう。
それは難読な漢字が使われている割にルビが少ないということだ。
その辺の事情を、「この暑さの中で字引、引かされた」と評した方がおられたそうで、私も深く頷けるところでありました。 よって、この感じ方を川柳にしてみました。
くそ暑し 最中引かさる 字引かな
です。
例えば「嚏」(くさめ)は句中にあるルビ無しで使われた難読漢字の中の一つですが、 暑さの最中、この難解な漢字のために、分厚い漢和辞典を括らざるを得ないめぐり合わせへの舌打ちが聴こえてきそう。
以上、感じたままを書いてみました。
彼女の句集は、第1作が、1999年の「蒼炎」、第2作が2007年の「開遠門」、そして今回第3作の「オパール世代」です。 第1作の「蒼炎」が1999年だから、以来、19年、彼女の活躍を折につけ見聞して参りましたが、今以て意気盛んなご様子。 内容的にも、語彙豊か、切れ味鋭く、ユーモラスで楽観的、な句作を楽しんでおられるようで何よりだと思います。 今後どのような種を蒔かれるやら、期待したい。
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