移行体験記:XPから7へ

石井俊雄
小生、長年パソコンを使ってきたが、そのOS(オペレーティングシステム)はWindows XPだ。
Windows XP(ウィンドウズ エックスピー)は、 マイクロソフトが2001年に発表したWindowsシリーズに属するOSである。 XPは「経験、体験」を意味するexperienceに由来する。
Windows XPはWindows NTの安定性・堅牢性とWindows 9x系のマルチメディア機能や使いやすさを併せ持った汎用OS として、広く利用されてきた。
でも、 「Windows XP および、Office 2003 のサポート終了についてのご案内」により、
マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシーに基づき、 2014 年 4 月 9 日 (日本時間) に Windows XP Service Pack 3 (SP3)、Windows XP 64 ビット版 SP2 および Microsoft Office 2003 Service Pack 3 (SP3) の製品サポートが終了します。 サポート終了後、対象となる製品へのセキュリティ更新プログラムの提供が終了します。
となってしまった。
このサポート打ち切りの影響は、XPをそのまま使い続ける場合、大きなリスクをもたらすことにある。 具体的には、Microsoft Security のブログ “The Risk of Running Windows XP After Support Ends April 2014” (2013 年 8 月 15 日公開) に記されているが、英文なので、日本語版を見るなら次のサイトがいいだろう。
「Windows XP を 2014 年 4 月のサポート終了後も使い続けることのリスク」である。
長文であるので、要約すると、
「2014 年 4 月 9 日に迎える Windows XP と Office 2003 のサポート終了はあなたの IT システムに大きなセキュリティ リスクを引き起こし、ひいては経営上の問題まで起こす可能性があります。 最新のデスクトップ環境への移行をお勧めします。」
というものだ。
このようにして、Windows XPから、 新しいOSで動くパソコンへの移行が避けて通れない課題として眼前に立ちふさがったのだ。
そこで、小生は次のようにしてこの課題をクリアすることにした。
  1. 新しいパソコンを買う。
  2. OSはWindows7がWindows8よりXPに近いと聞いたので7にする。
  3. パソコンはWindows7がインストールされた中古パソコンとする。
  4. 中古パソコンはネットか秋葉原で買う。
  5. モニターはとりあえず現行のを使う。
  6. 移行作業は、有り余る時間を思っきり使って自分でやる。
以上により、約1週間ほど時間をかけてネットと中古店を調べた。 その結果、秋葉原で次のパソコンをゲットした。
次は移行作業だが、それは、次の順序で行った。
  1. 先ず最初に、Windows Updateを行う。理由は、OSは、ネットに繋がった状態であれば日々、 自動的にWindows Updateが行われるが、中古の場合、最後に行われたUpdateから、現在までの間、 Updateが行われていないので、セキュリティの脆弱性が残っている。 だから、Updateすることで、OSを最新版の状態にするのだ。
  2. 次に、ウイルス対策ソフトをインストールし起動すること。 小生の場合、7に組み込まれている”Windows Security Essenntials”(無料)を使った。 理由は、パソコンはネットに繋がった状態で移行作業をするわけだから、外部から侵入するウイルスを防がないといけない。 そのために、何を差し置いてもウイルス対策ソフトを稼動させなければいけないのだ。
  3. 次にするべきことは、メールソフトを立ち上げること。 そうしないと、外部とのメール通信が途絶えちゃうからだ。 小生の場合、Windows Live Mailというメールソフトを使うことにした。 なぜなら、従来使っていたOutlookExpressが、Windows 7では使えないからだ。 何故使えないかというと、Windows XPでは、OSに付いていたOutlookExpressが、Windows 7には付いてないから、 使いたくても物が無いのである。従って、小生はWindows 7に付いているWindows Live Mailを使うこととしたのである。 なお、OutlookExpressはOffice2007などのOfficeに付いているようだ。 だから、OutlookExpressを使うには、Office2007やOffice2010などのMicrosoft Officeを買わなければならないのである。 うまく出来てるよね。
  4. Windows Live Mailの設定は結構大変なので、契約しているプロバイダに電話して訊いた方がよい。 訊けば、丁寧に説明してくれるので、お勧めだ。 小生の場合は、プロバイダ(auだが)に「遠隔操作でやってくれ」と頼んで、やってもらったら簡単だった。
  5. このあと、アドレス帳、お気に入り、などデータの移行を行った。
  6. 次に、”Microsoft Office”や"Photoshop Element"などアプリの移行がある。
  7. その”Microsoft Office”については、小生の場合、”Office 2000 pro”を使っていたが、 これは、インストールできたとしても、マイクロソフトのサポートが切れているので、 セキュリティの脆弱性の問題が残る。だから使用を諦めた方がいいと思っている。 小生は、中古店がサービスに付けてくれた”EI Office”(Office 2010対応版)を使うつもりだ。 だが、マクロ機能が弱ければ、”Office 2010”を購入しざるを得ないと思っている。 中古店で聞いたら1万円ほどとのこと。ただし、未確認情報だ。
  8. また、"Photoshop Element"については、インストールしてみたが、失敗だった。インストール出来ないのだ。 調べたら、"Photoshop Element"はWindows 7に対応してないことが分かった。 よって、小生としては、フリーソフトに挑戦し、 "Photoshop"を凌ぐという評判のフリーのお絵かきソフトである"GIMP"を使うことにした。 ダウンロードしてインストールしたら、うまく動いている。
  9. それから、Adobe社の"Adobe Reader"をインストールした。これは、Adobe社のHPから無料でダウンロードできる。 "Adobe Reader"は何故必要かといえば、pdfファイルを読むのに不可欠だからだ。
  10. 次に、FTPソフトをインストールした。このソフトはファイルを転送するのに不可欠だから。 これも、フリーソフトから"FFFTP"をゲットした。
以上により、支障なく移行できた。・・・やれやれだ。
移行後は、以前よりパソコンの動きが素早くなったようだ。 メモリを4GBにしたのが効いたのだろう。 今後、ますます使って行こうと思う。
 
 
これは、秋葉原の風景。1月17日(金)の4時ころの撮影。
最も御徒町よりの地点でのことだが、ここまで来ると人波もかなりまばらになるので助かる。
 
 
写ってる店で買ったので、店の人に断りを言って撮らせてもらった。
秋葉原では他にも色々な店を覗いてみたが、この店は商品のディスプレイがよかった。
大概の店は、色々なOSのパソコンを雑然と並べていたが、この店は、OS毎に分けてあったのだ。 だから、小生は、Windows 7のコーナーだけを見て、一番気に入ったのを選ぶことができた。 中古店の場合、きっちりしたディスプレイ、結構効くのではないだろうか。
帰り際、店の大将、おっさんだが、が言った、「今度来られたらおまけします!」と。 マウス(光学)、キーボード、をサービスしてくれたし、いい気分で買い物ができた。 今後だが、ディスプレイも買いたいし、ノート型のもだから、期待しようと思う。
以上がこの問題に対する小生の実体験だ。
皆さんがいろいろ対応策を検討される際、参考になれば幸いです。
小生、5年ほど前にも、パソコンを買い換えたことがあったが、そのときも、同じように、中古パソコンへ移行でした。 概して言えば、前回より今回の方が、新品と中古品の差が小さくなっていると思う。 前回が、中古品と新品との倍率が5〜10倍はあったのに対し、今は、2倍くらいかなという感じだ。 何故かといえば、今度のXP問題で、中古パソコンの価格が上がっているのに対し、 台湾や中国の新品パソコンが安価で供給されるようになっている、ということだろう。
そんなことも勘案しながら、対応策を練ってくれ給え。祈る健闘!だな。
最後に、懐かしい昔の音楽でお別れだ。たまたま見つけた 「奥様、お手をどうぞ」だけど、 コンチネンタル・タンゴの本場、ドイツのレコード盤のものだ。 歌っているアルフレッド・フォーゲルという歌手と編曲がいい。 歌詞はドイツ語でさっぱりだ。判るのは、"Ich kusse Ihre Hand, Madame" という部分だけ。 英語では、"I KIss your hand, Madam" 、それが日本語では、「奥様、お手をどうぞ」だ。 菅原洋一が時々歌ってくれるのでご存知のことと思う。
少し付記しよう。それは、昨日のこと。
本屋をのぞいてみた。お目当ては、Windows7の入門書だ。 でも、書棚に並んでいたのは、圧倒的に8のが多かった。 小生は、売出し時期において、7も8もそんなに時間差があるとは思っていなかったので少し驚いた。 8は7より相当若そうだ。
この違い、姉と妹に譬えれば頼山陽の絶句が浮かんでくる。
起句 大坂本町糸屋のむすめ
承句 姉は十六いもとは十四
転句 戦国大名かたなで殺し
結句 いと屋の娘は眼で殺す
7と8の年の差はもっとかも知れない。だが、あとは好みの問題だ!・・・選り取り選んでくれ給え。(1014/1/25 追記)
更に、付記しよう。
昨日、図書館の新刊書のコーナーで、素敵な本を見つけた。 題名は、背表紙に「パソコンで困ったとき開く本 2014」(ウィンドウズ8対応版)とある。 2013年11月5日発行(通巻449号)、定価:本体1200円、とある。雑誌大の本だ。
この本、どこが素敵かというと、分かり易いこと。 例えば、ウィンドウズ8の場合でも、ヘルプを読んでもなかなか分かり難いところがある。 それは、英語で書かれた原文を、それだけを見て邦訳したものだから、実が無いのだ。 要するに、翻訳した人が、実際使ってみた結果を踏まえて書いているのではなく、単に、英文を直訳しているだけなので、 出来たものは、ぎこちないし解かり難い。 むしろ、英文を読んだ方がすっきりする程だ。
20〜30年ほど前のパソコン創成期には、わが国はプログラミングでは世界の先端を走っていたが、 今では、インド、中国、などに持っていかれてしまったのも、英文解読力というより、マニュアル化の稚拙さが原因ではないだろうか。 とにかく、小生が現役だったころから、マニュアルの解かり難さは変わっていないように思う。 世界に冠たる下手さだろう。
でも、この本は、その点、よく書けていると思う。 小生は、7か8かという以前に、よい本があるか無いか、それを勘案するのもいいのではないかと思い付記することにした。 (2014/01/26 追記)
更に2、付記しよう。
Microsoftは、Windows XPのサポートが終了する2014年4月8日に Windows XP向けのアンチウイルスソフトウェア「Microsoft Security Essentials」 の配布を終了することを明らかにしていましたが、前言を撤回し、 Microsoft Security Essentialsのアップデートを2015年7月14日まで継続することを発表しました。 (2014年01月16日)
この撤回発表により、Windows XPのサポートが今年の4月で切れるという問題に対して、 2015年7月まで延長されたので大丈夫と勘違いしている人がいるかも知れませんが、 これは誤解ですので、追記します。
この撤回発表の信憑性について、今日、マイクロソフトに電話で訊いてみましたが、 回答で示された Microsoft セーフティとセキュリティ センター を開いたところ、開いたページの下の方で、次のサイトにリンクが張られてました。 Windows XP 向けのマイクロソフト マルウェア対策サポート というところです。
以上のネタから言えることは、撤回発表は事実であったことと、 内容は、「マイクロソフトは2015 年 7 月 14 日 (米国時間) まで Windows XP 向けにマイクロソフトのマルウェア対策ソフトの定義ファイル、 およびエンジンに関する更新プログラムの提供を継続します。」 ということです。
つまり、サポートの終了予定は変わらず、延長されるのは、 「Microsoft Security Essentials」(これは、マイクロソフト社のマルウェア対策ソフトです。)だけなのです。 このことの意味するところは、次のサイトに ベストアンサー が載っていますので参照ください。
なお、マルウェア (Malware) とは、 「不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称である。」 と記されています。詳しくは、 ここをクリックしてください。
要するに、今年の4月8日 (米国時間) 以降、Windows XPマシンは危ないと思った方いい、 というのが私の解釈です。 (2014/02/4 追記)
更に3、付記しよう。
2月14日、朝日新聞朝刊の経済面に、「XPから8へ改めて喚起」という表題で、 「日本マイクロソフトは13日、基本ソフト(OS)の『ウインドウズXP』のサポートが4月9日に 終わるのを前に、セキュリティソフトを提供している企業数社などとともに、 改めて最新版OSの『ウインドウズ8』に早めに切り替えるよう呼びかけた。」 との記事が載っていたので、追記します。
詳しくは、 ここをクリックしてください。 (2014/02/14 追記)
更に4、付記しよう。
3月1日、朝日新聞朝刊のbe紙面に、「XPのサポート 間もなく終了(上)」が載った。 サブタイトルは、「一番の問題はセキュリティー」と書かれている。
見出し文には、
「2001年の発売から12年以上利用されてきた、パソコン用OSの『ウィンドウズXP』。 開発元であるマイクロソフトは、これまで続けてきたサポート(対応)を4月9日で終了し、 同時に『オフィス2003』のサポートも終了します。終了まで1カ月までに迫った今、 改めてその影響と対策についてまとめます。」
となっている。内容は、紙面を参照ください。
世の中には色々なパソコン用ソフトが動いている。 携帯用語で言えば、アプリもその中の一分野だが、なのに、何故、『ウィンドウズXP』や『オフィス2003』 について、これほど警戒するのか、不思議?と思う向きもおられるかと思う。 これは、魚釣りと同じなのだ。魚を釣るとき、釣り糸を垂らすのは、魚がいそうなところだ。 例えば、泥鰌を釣りたいなら柳の下とかが釣果をあげるポイントとなる。 それと同じように、ウイルスを仕込むには、利用者の多いソフトが狙われるのだ。釣果が期待できるから。 余り使われないソフト向けに苦労してウイルスを開発するより、高い費用対効果が期待できるのだ。 (2014/03/1 追記)
 
 
 
 
 
 
 
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