後期高齢者アメリカ東海岸一人旅(4)

2015年8月4日 魚住秀男
期間 2015年4月16日〜28日*
  1. 4月24日(金)
    今日はニューヨーク行である。
    早朝9時発なので、7時過ぎにワシントンのホテルを出発し、ロナルド・レーガン空港へ。
    11時頃、ニューヨーク・ラガーディア空港に到着。早速タクシーでミッドタウンのヒルトンホテルに向う。三十分で到着。運ちゃんにチップを含めて70ドル払う。通常、運ちゃんが降りて、荷物を降ろしてくれるのだが、運転席に座ったまま動かない。「この野郎」と思ったが、自分でおろし、ヒルトンホテルロビーに入る。あとで分かったがチップが足りなかったらしい。ニューヨークは全てが高い。チップは20%が相場。80ドルが正解。
    チェックインカウンターに行き、手続き依頼。暫くコンピューターをいじっていたが、「貴方の予約が無い」と言う。「何?既に宿代は払ってあるじゃないか。予約が無いわけがない」と抗議。暫く待たされる。その間に、家内の友人でニューヨーク在住のHNさんとロビーで会うことにしてたので、電話で連絡し、カウンターに来てもらい、彼女からもクレームしてもらう。予約はインターネットか電話で直接行い、予約成立の連絡メール等を提示した方がスムースに行くようだ。一つ勉強した。漸くして手続きが完了し、部屋のカギを入手。彼女のアドバイスで、JTB日本人專用の市内観光バスがあり、全体を見るには便利とのことで明日のツアーを電話で予約。77ドル/日。クレジットカードの情報を連絡して決済終了。
    荷物を部屋に入れ、昼食をとるために彼女の案内でステーキレストランに行く。途中、日本食レストランの多い通りとかブロードウェイはあっちとか教えてもらった。
    久しぶりに正式の食事をして大満足。
    ホテルに戻り、彼女に色々とお礼を言って別れる。
    今夜はブロードウェイ・ミュージカル“The Lion King”を見る予定なので、部屋で休憩。入場券はHNさんに手配して頂き、入手済み。
    暗くなってブロードウェイへ。ブロードウェイは大きな電飾で、それぞれの劇場で上演中の出し物を華やかに宣伝。見てるだけで楽しい。この様な宣伝が認められているのは此処と中華街のみ。他地域は一切ないので街中はすっきりしている。日本の大都会や香港とは大違い。
    やがて入場。席は前から3列目でほぼ中央。ここなら舞台が良く見える。手配してくれたHNさんに感謝。客席全体を見回すと満席。空きがない。
    かなりの評判だ。あとで分かったが向こう2日間はチケットは完売だった。
    舞台と客席の間に小さなオーケストラボックスがあり、そこで指揮者が舞台の動きに合わせて演奏の指示。但しオーケストラ団員が大勢いるわけでなく、予め録音された音楽を数名で操作しているらしい。ドラムだけは客席から見える所で生演奏。
    大音響と共に幕が開く。それぞれの動物のコスチュームを付けた大勢のダンサーが音楽に合わせて踊る。踊りもそれぞれの動物特有の動きを取り入れている。面白い。驚いたのはキリン。一人の男性が両手を前足にし、頭にキリンの頭を付けた長―い帽子を付け、のっしのっし歩く姿は本物みたいだ。色々工夫してるのが分る。物語は他愛ないが、流れに沿って登場する動物(ダンサー)の歌と踊り、舞台装置が素晴らしく、最後まで飽きることはなかった。幕間に出てくる進行役のアヒル(?)のウィットが理解できるとさらに楽しかっただろうが。
    外に出て、ライオンキングの大きな電飾を見て、ホテルへ。明日はニューヨーク市内見物だ。初めてのニューヨーク、楽しみだ。
  2. 4月25日(土)
    今日は市内見物。8時にロビー集合。JTB契約の日本人添乗員が参加者をチェック。全部で20名位。8時半出発なのでバス乗り場へ。中々来なくて9時出発。遅れは途中取戻すとのこと。この時間は未だ市内には車が多く、信号ごとに止められる。そのうち、バスが走りだしたが、度々エンジンが停止しだした。それでも再始動すれば動くので我慢してたが、ほかの人もおかしいと言い出した。この間も観光案内は続いたが聞く気がしない。更に悪いことに走り出したら急にブレーキが掛かるようになった。運ちゃんが操作してないのに。それが度々でしっかり体を固定しないと危なくなった。添乗員はシートベルトをと言うが冗談じゃない。整備不良も甚だしい。添乗員も心配して会社に電話。車を交換することになった。ホテル近くのロックフェラーセンター迄引き返す。ここで止める人はツアー代金を返還するとのことで5~6名が離脱。小生は午後行くことになっている自由の女神像が是非見たかったので、じっと待つ。代わりのバスはなかなか来ない。其のうち、今回のツアーは大変迷惑を掛けたので、全員にツアー代金を返還しますと連絡。但し希望者があればツアーは継続。正午少し前にバスが来たので残った15名程が乗車し、ツアー再開。午後の自由の女神像を見るための船の時間に間に合わせるため、見たかった貿易センタービル跡地などは横目で見ただけで通過し、昼食予定のクインシーマーケットへ。
    昼食後、観光船の出るバッテリー公園へ。暫くして乗船。船は南下し、自由の女神像があるエリス島方面へ。
    見えてきた、見えてきた、まだ遠いせいか小さく見える。正面から見る。台座を含め、全体のバランスが良い。身長34M。今回は船上からの眺めだけだが、機会があれば是非エリス島に上陸し、王冠の展望所まで登りたい。写真を撮りまくる。1886年にフランスからアメリカ独立100周年記念として贈られたものだ。当時は赤銅色に輝いていたのが、年月を経て、現在は美しい薄緑色になっている。以前フランスに行ったとき、この像の原型と言われる像を見たが、迫力が全然違う。やはりアメリカの象徴だ。
    女神像と別れてバッテリー公園に戻る。バスに乗り、ホテル方面へ。ロックフェラーセンター付近で解散。結局無料で自由の女神像を見せてもらったが、他の観光は無で、大いに損をした気分だ。帰りにカメラ用にSDを購入しホテルへ。
    夜は近くの日本食レストランへ。久しぶりの味噌汁は美味しかった。明日はMetropolitan Museum of ArtとAmerican Museum of Natural Historyに行こう。
  3. 4月26日[日]
    今朝はホテルでバイキング朝食。何時と同じ食べものを取り、20〜30ドルと思ってたら45ドルの請求。やはり高い。50ドルで清算。
    博物館などに行くのに何時も歩きorタクシーだったので、今日は地下鉄を使おうと計画。近くの駅に行き、地図で目的地を示しながら、チケット売場の女性に行き方を聞いたが、目的地を口頭で云えと言う。少し迷っていたら、次に並んでいた親切なおばあさんが私が聞いてあげるとわざわざメガネを出して、地図を見ながら聞いてくれた。途中で乗り換えで行けることが分かったので、お礼を言って地下鉄のホームに降りる。日曜日なので乗客は少ない。初めてなので多少不安である。気づくとすぐ近くに女性のお巡りさんがいた。再確認のため、聞いたら駅員と違うことを云う。乗り換えなしで行けるとのこと。「列車Cに乗りなさい」と。「C,C」と繰り返す。何時も鉄道に乗っているお巡りさんと思えたので信用した。列車Cを待つこと15分。来ない。ベンチで隣に座ったオジサンとお嬢さんに聞き直したが「私は分からない。済みません」との返事。更に15分待ったが来ない。どうなってるのかと辺りを見回してみると、列車Cはウイークデイのみの運転らしいことが判明。ちきしょう騙されたか。地上に戻り、タクシーで博物館に向う。こんなことなら最初からタクシーにすればよかった。
    Metropolitan Museum of Art(Met)に到着。Metは世界4大美術館の一つで、アメリカ最大の美術館である。所蔵品は330万点強。
    館内は広く何処から見ても構わないので、とにかく沢山見ようと歩き回る。知ってる作者ではミレー、マネ、モネ、ルノアール、ゴッホ、ドガ、セザンヌ、ゴーギャンで、彼等の有名な作品が数多くある。それらの前では暫く足を止めて鑑賞したが、その他はちらちら見る程度。宗教画や歴史画も数多い。時間を気にしながら、ショップでTシャツ等記念に買って美術館を後にする。
    次はセントラル・パークを挟んだちょうど反対側にあるAmerican Museum of Natural History(自然史博物館)を目指す。
    セントラル・パークは広大な面積を有し、有名なコンサートが開かれたり、芝生では市民が日光浴を楽しんだりする憩いの広場である。横断するだけでも時間が掛かった。良くまあこんな広い公園を都会のど真ん中に作ったものだと感心。
    自然史博物館はアメリカ特有の動物の剥製を使い、彼らが生息している広大なアメリカの自然を表した展示が多くなされている。日曜日なのに見学者は少なく、活気が感じられない。残念。これが今回の旅行の最後の見学場所と思うと、少し寂しさを感じた。
    アメリカ最後の夜食はホテル近くの“伊勢ラーメン”と表示のある日本レストランで豚骨ラーメンを食す。
    明日は帰国だ。荷物の整理をして、早めに寝る。
  4. 4月27日(月)
    いよいよアメリカとお別れだ。チェックアウトを済ませ、10時頃Jhon F. Kennedy空港に向う。JFK自体は大きいが、JALのカウンターのあるビルは隅の方らしく、にぎやかさはない。パスポートを提示し、搭乗手続き。あゝここは自分でやる必要は無し。全て係員がやってくれる。日本式。
    帰りは疲れてるだろうと、席はエコノミーでなく、プレミアム・エコノミーを利用。エコノミークラスより多少高いが、ゆったり出来る。又ラウンジを使用できたので、搭乗前は楽だった。搭乗してみるとビジネス席は満席だが、プレミアム・エコノミー席はガラガラで20席位のうち数名のみ。日本人も裕福になったんだ。午後一時過ぎ出発、成田に向う。前席との間隔も広く、リクライニング角度も120度あり、後期高齢者にはぴったりか。今後も機会があれば利用したい。
    疲れと緊張感から解放されたためか、うとうとしてる間に成田到着。夕刻名古屋へ。
    トヨタでは家内が車で迎えてくれたので、ひと安心。12日振りの我家。
  5. 旅行後記
    今回の旅行はほぼ当初の目的は達成されたが、もっと見たい、もっと居たいと感じたところも多くあり、計画に無理があった点を反省。
    今後は旅行先を絞り、滞在型にして、じっくり見たり、当地の人達との交わりをもてるようにしたい。
    アメリカと言う国は、国土は地球上の人間が皆住めるほど広く大きいし、車なども大きく、細々していない。資源も豊富で全てに豊かさを感じる。アメリカン・ドリームはまだまだ終わることはないだろう。全ての面において。
*この期間の旅行計画については、 「2015米国東海岸旅行計画」を参照ください。(HP管理者)
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