「春日大社千年の秘宝展」観覧記

H29/1/18
石井俊雄
昨日、上野の国立博物館に「春日大社千年の秘宝」なる展覧会に行ってきました。 混んでて大変。すごく疲れました。
果たしてレポートの価値があるのか、自信ありません。何故なら、展覧会って悪しき慣習で写真撮らせてくれませんから。 持てるものの強味をみせつけるかのように。
ですが、今日、ニュースで、天皇皇后両陛下がお揃いで、本展覧会をご覧になられたとのことなので、意を決して上梓することといたしました。 それに、1か所だけ、撮影可能なスポットが設けてあり、展示できる写真が撮れたことも決心の材料になりました。
それは春日大社が誇る釣灯篭のコーナーに展示された釣灯篭の写真です。館内のはその写真だけですが、よかったらご覧ください。
国立博物館の前にある噴水広場にて写しました。
今日は、春一番が吹いて、ここ上野公園でも、土埃が立つほど吹くこともありました。 だから、ぽかぽか陽気で、皆、のんびりと鳩に餌やったりして過ごしていました。
春日大社が誇る釣灯篭のコーナーで撮りました。
同じく釣灯篭のコーナーで撮りました。
館内は混んでて疲れました。でも、3時間ほど見てました。
印象に残った展示物は平安時代に作られた舞楽面でした。特に目を奪われたのが「地久」という面。 「天長地久を祝う舞で使用」とのコメントが掲げられていました。
この面は、胡人を写してると思いました。いい顔してましたよ。 他にも数面よいのがありました。
3時間もいたので疲れました。家内がヘッドホーンを借りてじっくり聞いてたから。 でも、半分ほどで終わりにしました。お腹も空いてきたし体力も保たないし。 それをものともしない情熱も持ち合わせないし。
おまけに音楽にリンク張っておきます。
昔、1928年のアメリカのサイレント映画に「ラモナ」というのがありました。 映画の主演女優は「ドロレス・デル・リオ」という美人女優。 その主題歌が映画と同名の「ラモナ」で、ドロレス・デル・リオが歌っています。 なお、「ラモナ」とは、ドロレス・デル・リオ演じるヒロインの名前です。
この映画では会話の音声は同期して流れなかったけど、サウンドエフェクト(サウンドトラック)は同期して流れていました。 サイレントからトーキーへの過渡期の作品だったようですね。
小生が子供の頃聴いた「ラモナ」は男声で英語歌詞のものでしたが、YouTubeで捜しても、見つかりません。 多分、ビング・クロスビー辺りだったと思いますが、確証はとれてません。 でも、その曲調によく似たアレンジのものがネットに落ちてました。 それが、「ドロレス・デル・リオ」の声になる「ラモナ」です。
彼女は、メキシコ生まれ。だから、歌詞は英語だが、とてもメキシコ訛りのラモナになってます。 でも、雰囲気はとても素敵です。 映画のラブロマンスの雰囲気を今に伝えています。 よかったら聴いてみてください。
この曲、昭和初期の我が国でも人気があったようです。戦前のロマンティシズムを奏でるような曲調、聴くとそれが解ると思います。 ここをクリックして下さい。 以前にもリンク張った記憶がありますので再度のリンク張りとなります。
なお、我が国でも、当時、渡辺はま子が日本語の「ラモナ」を吹き込んでました。 でも、アレンジがハワイアン風なのが気に入らないので、取り上げません。 「ラモナ」をハワイアンにアレンジするなんてどうかしてますよね。
また、画面の下に表示される Dolores del Rio - "Ramona" Vals (1928) の"Vals"というのは、スペイン語で「ワルツ」という意味ですが、 確かに、曲調はワルツですよね。 英語で"waltz"、ドイツ語で"Waltzer"、イタリア語で"valtzer"、などと比べても、ほぼ同じ発音ですね。 我が国で言えば、佐賀弁と鹿児島弁、関西弁と東北弁、ほどの違いと思えば間違いないようです。
ワルツの語源は知らないが、多分、イタリア語由来かと推われます。 なぜなら、音楽用語って殆どがイタリア語だからです。例えば、フォルテ、ピアノ、クレッシェンド、カンタービレなど、です。 理由は、音楽自体や演奏の指示を書き残す方法“記譜法”が現在の五線という形に定着したのが17世紀のイタリアでした。
当時、音楽の中心は教会でした。 音楽を宗教活動に取り入れたのはキリスト教で、仏教ではそのような動きは皆無に近かったように思います。 実際は、声明という形で取り入れられていたようですが、音楽という捉え方は無かったと思います。 民族的に音楽性が低かった所為だろうと思いますが、残念ながら、東洋世界には西洋世界におけるピタゴラスのような人材はいませんでした。 一人二人はいたとしても多数派としては音楽性が欠如していたと言えるでしょう。 西洋世界でも、民族として音楽性が低度なら、ピタゴラスが一人いても、埋没してしまって、和声の発見というブレークはなかったでしょうから。
音楽性が民族の面に露出するのは言語としてでしょう。 そういう意味で音楽性の根源に関する考察は言語学の範疇かと思います。 音楽性と言語の関係、面白い研究テーマではないでしょうか。
そう考えると、アメリカ映画「マイ・フェヤー・レディ」のヒギンス教授を思いだしますね。 だから、音声学とかなんとか、既に学問分野があるのかも知れません。 あったら聞きたいですよね、「言語と音楽性の関係」というのを。
「マイ・フェヤー・レディ」が出たので、その中から、 "Wouldn't It Be Loverly"ムーンリバーがいいと思う。 作曲はヘンリー・マンシーニ。この人は天才的作曲家でした。 亡くなってもう20年ほど経ちますが、いい曲を残しています。 私が好きなのは、映画「シャレエード」の主題歌、それに「グレートレース」の主題歌 "The Sweetheart Tree"などです。
ヘンリー・マンシーニは楽団を持っていて素敵な編曲の音楽を聴かせてくれてます。 例えば、"The Windmills Of Your Mind"という曲ですが、これは「華麗なる賭け - The Thomas Crown Affair」の主題歌です。 一度聴くといつまでも頭に残る曲です。 原題の"Thomas Crown"とは、「華麗なる賭け」という映画の中でスチーブ・マックイーン演じる主人公の氏名です。 何か特別な王冠でもあるのかと疑いましたが、そんなものではなく単なる人名でした。・・・ヤレヤレ!
歌意は失恋した人の心によぎる数々の思い出が言葉遊びのように繰り返されるメロディーと共に駆け巡るとありました。 作曲は、ミッシエル・ルグラン。フランス人ですね。そう言えば曲調もシャンソン風なようです。 聴いてみますか、ここをクリックしてください。 日本では、この曲は「風のささやき」というタイトルで知られているそうです。私は知らなかったけど。
なお、"Windmills"とは「風車」のこと。繰り返される思い出の喩えとしたのでしょう。 思えば、私達も過去を振り返るとき、同じ思いで繰り返しますよね、あの時は・・・ああすればよかった、というように。
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