片袖ぬげたてちゃ

2023/4/6 石井ト
 
昔、といっても、ほんの半世紀前、筑紫ミス子という喜劇役がいて佐賀にわかを演じて、大いに人気を博していた。
小生が彼女の実力を知ったのは、ほぼ20年ほど前、「弁当箱」なるビデオテープを見たことがきっかけだった。
彼女はその中で、表記のだ題名の端唄をうたっていた。呑み助の好好爺風で、飲みながら機嫌よく唄ったのがこの曲.
小生長らくこの佐賀弁の歌詞の聞き取れなかったから、その穴埋めを図ってきた。 そして今日、ほぼ間違のないレベルに達したと思うので掲載する。
歌詞は紛れもない本物の佐賀弁で、かなり品がいい。昔の老婆の年季を重ねた上品さのレベルだと思う。
片袖脱げたてちゃ
辛気ゃすんなよ
袖のほつれはお床擦れ
好いて好かれたた仲ないば
片袖脱げたてちゃ
辛気ゃすんなよ
辛気とはやきもちのこと。片袖脱ぐとは、2号宅から本家に帰る旦那を袖を引っ張って返さないようにする行為の結果、おうおにして片袖が脱げるなどの事件が起こったことを指す。
昔の人は優雅だね。その程度で収まったのだから。
 
 
 

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