ジェニーの肖像
この映画、凄く変な映画だった。
私が見たのは中学1年のころだから、まだ、経験も浅く感じ方も常識的だった。
なのに、この映画のヒロインは、最初会ったときは少女だが、数日後に会うと少し大きくなっていて女子大生になっているいし、更にその数ヵ月後は、
大人になっているというように、当人だけ成長の時間の進み方が速いのである。
そのような設定がとても新鮮で不思議だった。だから、憶えているのである。
題名もいいし、ヒロイン役のジェニファー・ジョンズが素敵だったせいもある。
この映画は、アメリカで1948年に制作され、日本では1952年に公開された。白黒映画である。
当時私は中学1年生で、佐賀の東宝で上映された。
ジェニーを演じたのは、ジェニファー・ジョーンズ、相手役はジョセフ・コットンだ。
ジェニファー・ジョーンズは、その前年の1951年「荒野の決闘」が日本で公開されている。
この映画は西部劇にしては例外的にアンハッピーエンドだった。
13歳の私には面白くなかったが、男女の愛の複雑さに触れる一瞬だった。
何故なら、題名の「荒野の決闘」の決闘とは、本当は愛し合っているのに、行き違いから、お互いを殺し合うことになる、その闘いのことだから。
更に、3年後の1955年には「慕情」で英国系中国人を演じて好評を博している。
男役は、ウイリアム・ホールデンだ。
慕情の主題歌は、我々も口ずさんだ名曲だ。 "Love Is a Many-Splendored Thing" である。
映画自体は、所謂、メロドラマで、面白くはなかった。女性向けだったと思う。
話を本題の「ジェニーの肖像」に戻そう。
この映画、マール・オベロンとローレンス・オリビエの「嵐が丘」に似ていたな。
白黒で、嵐、荒野、海、怪奇性、など似ていた。
ネットにその映画が転がっていたので見てみますか。
ここをクリックしてください。
映画館でみる方が、大画面の迫力で怪奇性が強調されるが、ネットでは画面が小さく、それほどには感じないかもしれない。
(28/1/21 追加)