末安さんを偲んで

−小さな出来事−

近藤弥生
末安さんの訃報を伺い、すぐ追善のお祈りを致しました。心からお悔やみ申し上げます。
思えば末安さんとは、忘れ難い思い出があります。高校を卒業した翌年の秋だったでしょうか。もう60年も前の事です。誰が声をかけてくれたのか覚えていませんが、同期生10数名で高尾山に行った事がありました。京王線高尾から道なき道を這い登り、頂上で皆がお弁当を広げて食べ始めた時、末安さんが黙念と座っているのに気がつきました。「弁当はない」との事、びっくりして、私のおにぎりとウインナソーセージを分け合いました。誰かもおかずを下さったと思います。それ以来「あの時は有難う」と会う度にお礼を言われたのでした。
人なつっこいのに少し淋しがりやだったようでしたね。歴史は僕に聞いてくれれば大概は答えられるとにっこり、ややシャイな笑った顔が鮮やかに思い起こされます。映画やオペラに詳しく、渋谷で付属中の方々の食事会の帰りの電車の座席でずっと楽しげに話していたのも懐かしい事でした。声もバリトンの通る声で、一度歌うのを聴きたかったナ。
又一人、佳き人が旅立ちましたね。彼の世であの笑顔で楽しくしているかも知れません。この世の不思議、あの世の不思議を思います。ご縁はずっと続くような気がします。
末安さん またお会いしましょう。
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